東日本大震災4

地震発生から1週間になろうとしている。被災地の様子は相変わらずどこのTV局でもこぞって取材放映しているから、大分状況が掴めて来た。今日の計画停電は実行されるのかな、パンは今日も売り切れかな、などと気を揉んでいる私の生活など、避難生活を送っている方々からすれば「バカヤロー!」でしかないだろうと反省。
しかしそんな被災者の方や被災の模様を伝える一部のリポーターには本当に頭に来る。というよりTV局に対してだ。なぜあんなバカを送り込むのだ、なぜあんなインタビューを放映するのだ。その最たるバカ質問は「今どんなお気持ちですか」というものだ。何を言わせたいのだ? 津波に襲われた街で、無人のビルに入り込んで「中は真っ暗です!」だと? 何を伝えたいのだ? チャンネルを変えるしかない。

夕べは静岡を震源地とする大きな地震が起きて驚かされた。政府やTVは「東海地震と関連はありません」という学者のコメントを強調していた。誰がそれを信じるか。それに「関連がない」という意味が理解出来ない。

長野にしろ静岡にしろ、東日本大地震の影響が大であることは素人が考えても分かることだ。太平洋プレートが北米プレートに潜り込み、長年に渡って溜まった「撓(たわ)み」や「歪(ゆが)み」を一気に弾けるように開放した動きが東日本地震発生のメカニズムだ。そのショックは当然のように北米プレート内部にも作用して、長野や静岡の直下型地震を誘発したのだ。この関連性を否定する学者はいないだろう。だがおかしなことに、誰もそれを言わない。長野や静岡の地震を、全く別の単独の地震として扱っている。多くの被害が出ているにもかかわらず、ろくに報道もされていない。
北米&ユーラシア・プレートは東から南からと攻め続けられており、今回は東からの攻めに耐え切れず東日本大地震という結果をもたらした。その強大な破壊力は、北米プレート内部にも作用して直下型地震という「内戦」を引き起こした。その内戦が、北米プレートの「空き」を埋めて強固にしたのか手負いにしたのかは分からない。どちらにしろ北米&ユーラシア・プレートは、以前とは違う態勢でフィリピン・プレートとの闘いを続けなければならなくなったのだ。
確かに今、「直下型地震は東日本地震の影響があったと思われ、東海地震にも何らかの影響があるのではと考えられなくもない」などと回りくどい言い方をしたら怒られてしまうかもしれない。東海地震まで持ち出してこれ以上混乱させるな、とも。だがそれでいいのだろうか。長野、静岡の地震と東日本地震の関連性には触れず、東海地震とは「発生のメカニズムが違う」し「関連は無い」、と切り捨てるように話をそらしてしまってよいのだろうか。
地理学的な意味での東日本地震は収束の方向に向かって来ていることは確かだろう。しかし人や社会への余波はこの先も猛威を振るい続ける。そして懸念の福島原発の状況は更に悪くなって来ている。放射線の数値は劇的に増加しているが、使用済み燃料プールも外気に露出した状態になってしまったのだから当然のことだ。
ヨーロッパでは、今回の事故は米スリーマイル島事故のレベル4を上回り、史上最悪の原子力事故といわれる旧ソ連チェルノブイリに次ぐレベル6に相当する、と見ているという。大変なことになっているのだ。だが政府や東電の発表は相変わらず当を得ない。起承転結で言えば発表されるほとんどが「起」の部分の「こういった事象が発生しました」というもので、一部「承」もあるが、肝心な「転」がない。知りたいのは「何故そうなった」というのはもちろんだが、「だからどうなるんだ、どうするんだ」の部分なのだ。(そしてもちろん最終的には「事故は収束しました」という「決」に至らなければならないのだが)
2号機が爆発した時、自衛隊員4名が負傷したが、作業に赴くに当たって東電は安全だと言ったという。その結果、自衛隊は東電に不信を抱き、一時作業から撤退したという事実があった。もう東電は信用出来ない。その東電を掌握もコントロールも出来ないでいる政府は何と情けないのだろう。
おそらく東電の社長や関連部署の責任者の何人かは、事件収束後に辞任するかもしれない。だがそれを許してはいけない。大幅減収にして最後まで働かせなければ行けない。長年高給を食んで築き上げた「隠居」の世界への逃亡を許してはいけない。良心の呵責は残るだろう? そんなことを言ったら刑務所などいらないのだ。同時に、こんな所に原発を建てた当時の自民党や自治体の責任者も非難されなければならない。
もしかして自民党は、今回の事故の対処に問題あり、管総理退陣、総選挙、などと言い出すかと思ったが(まだ)その兆候はない。それはそうだろう、事故の原因を突き詰めていったら当然自民党にも、そして自治体や業者へも(もちろんそれぞれの関連性についても)その矛先が向けられることになるのだから・・・。
ともあれ今も原発で危険な作業に当たっている自衛隊や東電の方々に、感謝と激励の思いを伝えたい。被災された方々にはお悔やみと励ましの言葉を送りたい。そして被災者の方々の厳しい避難生活をTVで見ながら、買い溜めした食料を積み上げてほっとしている連中に「喝!」を送りたい。
そして最後に政府(と東電)に対して、情報を隠すな、と言いたい。東海地震との関連や原発に関して、過度な混乱を生じさせないためという配慮もあるのだろうが、それをコントロールしていくのがあなたたちの役目であり、それが出来なかったり、事実を公表しなかったがために更なる大混乱が生じた時、そこに生まれるのは「不信感」なのだということを忘れずに・・。

 

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