東日本大震災6

地震発生からすでに10日以上も過ぎた。被災地の情報収集も進んでいるが、問題はまだまだ山積みになっている。そんな中、9日ぶりに老女と孫が発見されたというほっとするニュースもあった。

状況が好転していないのは福島原発だ。自衛隊と消防、機動隊の連携で強力は放水が始められ、電源回復作業も進められている。サーモセンサーで温度が下がってきているのが確認された、という報道の直後、また白煙と黒煙が発生、全ての作業は中断された・・・。極力早く原発を安全な状態まで修復して欲しいと願うだけだ。
今朝、NHKのニュースを見ていたらアナウンサーが「1時間あたり○○シーベルトが・・・」と言っていた。ようやく「1時間当たり」と正しい単位が使われていた。今までの報道では、例えば「このお菓子の熱量は何と500キロカロリーもあるんですよ」といっているようなもので、お菓子1個の熱量なのか、一袋分なのか、1kgあたりなのか言わないから、ダイエットに気をつけている人でなくとも、そんな高カロリーなお菓子なら食べるのをやめよう、ということになってしまう。民放の多くでは相変わらず「1時間当たり」を抜いた不明瞭な言い方を使い続けている。
また官房長官や東電、識者らのコメントで「この量の放射線なら直ちに健康に被害が出るわけではない」という言い方も随所でしている。それで誰が安心できるだろう? 直ちに被害はないが、将来なにか発症するのか? と誰もが考えてしまう。では絶対に浴びないようにしよう、そんな場所に行かないようにしよう、と思ってしまうのが当然だろう。今日あたりになってようやく「その量を1年間浴び続けても大丈夫」という解説が付け加えられるようになった。
だがまだその先がある。食品の含有放射線の規制値だ。これにより福島県だけでなく茨城、群馬、栃木のほうれん草と、福島の原乳の出荷が停止された。ところが政府は同時に「これらの食品を普通に1年間食べ続けても健康に被害があるわけではない」と言っている。
先日、輸送手段がないので搾乳した原乳を希望者に無料でお分けします、という酪農家の話が報じられていた。おそらくそれが福島県内の酪農業者であれば、当然そういった行為も禁止されてしまうことだろう。「1年間食べ続けても・・・」という解説は一体何なのだろう。この分でいえば福島どころか三陸沖の海産物全てが出荷停止となるか、市場で購入拒否されることになるだろう。
政府はそういった農作物などの被害に関しては東電と政府が補償すると言っている。だが一時的な金銭による補償で済む問題ではない。規制値から原乳の出荷停止をくらった酪農業を営む人が「もう廃業することにしました」と悔しそうに言っていたが、その人と家族の今後の生活はある程度補償されるだろうが、同じように考えざるを得ない同業者、農家の人、漁師がたくさん出てくるだろう。第一次産業の大々的衰退に繋がってしまう。それでなくとも高齢化と後継者不足の第一次産業なのだ。
安全だ、という一方で、規制値を越えた、出荷停止、などといった処分が行なわれている。こんな矛盾した情報や処置はもう真っ平だ、いい加減にしろ、と言いたい。
相変わらずテレビをよく見ているが、震災直後からCMが変わった。自主規制なのだろうが、先週あたりまでは一般のCMは一切流されず、AC(元・公共広告機構)の数本のCM(?)が繰り返し流されていた。最初はそれほど気にならなかったが、毎日毎日何百回も同じフィルムを見せられるとアレルギー反応が出て来る。それぞれのCMの最後に「エ~シ~」という短いコーラス(サウンドロゴというらしい)が入っていたが、わずか数分のCMタイムで何回も聞かされると実に不快になって来た。この苦情はかなりあったようで、その音声をカットすることが進められている。
それにしても何であんなにたくさんACのCMが流され続けるのだろう。企業CMを自粛しているなら、ACのCMも数を減らせばいいのに、今までのCMタイム枠をそのまま生かすように番組を作っているからそうなるのだ。今週に入ってから通常の番組が復活しつつあるが、あらためて日本のテレビ(民放)のCMの膨大さに驚かされてしまう。
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東日本大震災5

米が残り少なくなって来たので買いに行ったらどこにもなかった。大型スーパーにもコンビニにも・・・。仕方ないのでいつ届くか分からないがネットで注文した。夕べだったか今日だったか、TVで米やガソリンも備蓄は十分にあるから買い溜めはやめて、と言っていた。遅いんだよ。

夕方から計画停電がいよいよ実行されると知って、ローソクを買い込み、酒とつまみを用意して、TVを消しラジオをつけてカウントダウン・・・。直前にネットでチェックしたらやはり実行するという。6時18分、19分、そして指定時刻の午後6時20分! ・・・ラジオはまだついている・・・。で、これを書いている・・・。
今日のTVを見ていて思わず胸が熱くなったことが二つあった。
津波にさらわれて街中の瓦礫の中に残されていたクルマから肉親が発見されたシーン。「ほら、あのクルマ、ナンバーがそうでしょ。いるわよ中に、あれ、人だよね」と、おじさんらしき人と偶然居合わせたTV取材スタッフを引っ張って来た興奮気味の女性。十数分後、駆けつけた消防と警察がクルマを開けたが、残念ながら車内にいた彼女のお姉さんはすでに亡くなっていた。妹さんは「遺体が見つかっただけでも良かった」と涙しながら遺体を運ぶ救急車を見送っていた。
もう一つはNHKに寄せられた被災者への励ましのコメントの中に、「我が家は余裕があるわけではないが幼児を預かることが出来ます」とか「空いているアパートを無償で貸します、来てください」というものが紹介されていた。
私に一体何が出来るだろう、と考えていた。今はおそらく無用な買い溜めに走らないことと、小額の寄付くらいしか出来ないだろう。TVや政府などの批判をしていても、それは前向きではないことは承知しているつもりだ。だが「私は何をする? 何が出来る?」という命題の中にそれも入っていると思っているので今日もやる・・・。
福島原発事故に関してまた書いてみたい。避難所に十分な物資が届いていない理由の一つは、原発に近い地域へのトラック乗り入れがほとんど無いからなのだそうだ。これは政府や東電の放射能(線)に関する説明不足が大きく影響している。先日から検知器機での数値を発表しているが、それがまるで科学的ではない。
ある場所の計測値が、それまでの数百倍になった、などと報道されたりする。「数百倍」という言葉がことさら強調されているのだが、じつはそれでも病院でX線撮影する時の被曝量には遠く及ばぬ数値だったりする。それよりも何よりも、なぜ本来なければ意味のない「/h」の単位抜きで発表しているのかが分からない。発表されているのは全て「1時間そこにいると浴びることになる放射線の量」なのだ。
それをはっきり言わないから、トラックのドライバーたちも「そんな所には危なくて行けない」と思い込んでしまう。今現在、福島原発から半径30km以内に入り込んでも問題はない。もし問題なら、その中にいる人たちはもう見捨てられていることになるし、救援物資を届ける必要もないことになるのでは・・・。
欧米の関係機関は福島原発の事故の推移を、かなり悲観的な見方をしている。対応の甘さを指摘する声は非常に大きいし、今後の展開に対しても予断を許さぬ、という意見が大半だ。ところが日本の学者、関係者の中に、今回の事故はこれ以上大きくなりようがないから心配するな、と明言している人が多い。
確かに彼らの論旨を読むと説得力がある。だが、だったらもう何もしなくていいのか、それぞれの炉で症状が違うが、それも問題ないのか、冷却が失敗しても大丈夫なのか。「核爆発は起きない」、「チェルノブイリにはならない」、「大丈夫」、そればかりだ。現状の対処が不成功に終わった時には何が起きるのか、それを誰もはっきりと言わない。
すでに多くの外国人が日本から脱出し始めている。エールフランスなども同国人用の脱出専用機すら飛ばしている。だが一部の日本の学者は「大丈夫」と太鼓判を押し、政府は明言を避けている。どちらを信じたらいいのか分からない。そうなるとどうなるか。まず「不信感」が生まれ、そこから「デマ」が流れ、事態は悪化の一途をたどることになる。例えば、福島からの避難者を拒絶する、自暴自棄になって略奪などの犯罪に走る、などといったことも考え得るのだ。
そんなバカなことにならぬよう、政府はしっかり対処して欲しい。もちろん、それ以上に大事なのは我々の自分自身のコントロールと正確な情報収集だろう・・・。
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東日本大震災4

地震発生から1週間になろうとしている。被災地の様子は相変わらずどこのTV局でもこぞって取材放映しているから、大分状況が掴めて来た。今日の計画停電は実行されるのかな、パンは今日も売り切れかな、などと気を揉んでいる私の生活など、避難生活を送っている方々からすれば「バカヤロー!」でしかないだろうと反省。
しかしそんな被災者の方や被災の模様を伝える一部のリポーターには本当に頭に来る。というよりTV局に対してだ。なぜあんなバカを送り込むのだ、なぜあんなインタビューを放映するのだ。その最たるバカ質問は「今どんなお気持ちですか」というものだ。何を言わせたいのだ? 津波に襲われた街で、無人のビルに入り込んで「中は真っ暗です!」だと? 何を伝えたいのだ? チャンネルを変えるしかない。

夕べは静岡を震源地とする大きな地震が起きて驚かされた。政府やTVは「東海地震と関連はありません」という学者のコメントを強調していた。誰がそれを信じるか。それに「関連がない」という意味が理解出来ない。

長野にしろ静岡にしろ、東日本大地震の影響が大であることは素人が考えても分かることだ。太平洋プレートが北米プレートに潜り込み、長年に渡って溜まった「撓(たわ)み」や「歪(ゆが)み」を一気に弾けるように開放した動きが東日本地震発生のメカニズムだ。そのショックは当然のように北米プレート内部にも作用して、長野や静岡の直下型地震を誘発したのだ。この関連性を否定する学者はいないだろう。だがおかしなことに、誰もそれを言わない。長野や静岡の地震を、全く別の単独の地震として扱っている。多くの被害が出ているにもかかわらず、ろくに報道もされていない。
北米&ユーラシア・プレートは東から南からと攻め続けられており、今回は東からの攻めに耐え切れず東日本大地震という結果をもたらした。その強大な破壊力は、北米プレート内部にも作用して直下型地震という「内戦」を引き起こした。その内戦が、北米プレートの「空き」を埋めて強固にしたのか手負いにしたのかは分からない。どちらにしろ北米&ユーラシア・プレートは、以前とは違う態勢でフィリピン・プレートとの闘いを続けなければならなくなったのだ。
確かに今、「直下型地震は東日本地震の影響があったと思われ、東海地震にも何らかの影響があるのではと考えられなくもない」などと回りくどい言い方をしたら怒られてしまうかもしれない。東海地震まで持ち出してこれ以上混乱させるな、とも。だがそれでいいのだろうか。長野、静岡の地震と東日本地震の関連性には触れず、東海地震とは「発生のメカニズムが違う」し「関連は無い」、と切り捨てるように話をそらしてしまってよいのだろうか。
地理学的な意味での東日本地震は収束の方向に向かって来ていることは確かだろう。しかし人や社会への余波はこの先も猛威を振るい続ける。そして懸念の福島原発の状況は更に悪くなって来ている。放射線の数値は劇的に増加しているが、使用済み燃料プールも外気に露出した状態になってしまったのだから当然のことだ。
ヨーロッパでは、今回の事故は米スリーマイル島事故のレベル4を上回り、史上最悪の原子力事故といわれる旧ソ連チェルノブイリに次ぐレベル6に相当する、と見ているという。大変なことになっているのだ。だが政府や東電の発表は相変わらず当を得ない。起承転結で言えば発表されるほとんどが「起」の部分の「こういった事象が発生しました」というもので、一部「承」もあるが、肝心な「転」がない。知りたいのは「何故そうなった」というのはもちろんだが、「だからどうなるんだ、どうするんだ」の部分なのだ。(そしてもちろん最終的には「事故は収束しました」という「決」に至らなければならないのだが)
2号機が爆発した時、自衛隊員4名が負傷したが、作業に赴くに当たって東電は安全だと言ったという。その結果、自衛隊は東電に不信を抱き、一時作業から撤退したという事実があった。もう東電は信用出来ない。その東電を掌握もコントロールも出来ないでいる政府は何と情けないのだろう。
おそらく東電の社長や関連部署の責任者の何人かは、事件収束後に辞任するかもしれない。だがそれを許してはいけない。大幅減収にして最後まで働かせなければ行けない。長年高給を食んで築き上げた「隠居」の世界への逃亡を許してはいけない。良心の呵責は残るだろう? そんなことを言ったら刑務所などいらないのだ。同時に、こんな所に原発を建てた当時の自民党や自治体の責任者も非難されなければならない。
もしかして自民党は、今回の事故の対処に問題あり、管総理退陣、総選挙、などと言い出すかと思ったが(まだ)その兆候はない。それはそうだろう、事故の原因を突き詰めていったら当然自民党にも、そして自治体や業者へも(もちろんそれぞれの関連性についても)その矛先が向けられることになるのだから・・・。
ともあれ今も原発で危険な作業に当たっている自衛隊や東電の方々に、感謝と激励の思いを伝えたい。被災された方々にはお悔やみと励ましの言葉を送りたい。そして被災者の方々の厳しい避難生活をTVで見ながら、買い溜めした食料を積み上げてほっとしている連中に「喝!」を送りたい。
そして最後に政府(と東電)に対して、情報を隠すな、と言いたい。東海地震との関連や原発に関して、過度な混乱を生じさせないためという配慮もあるのだろうが、それをコントロールしていくのがあなたたちの役目であり、それが出来なかったり、事実を公表しなかったがために更なる大混乱が生じた時、そこに生まれるのは「不信感」なのだということを忘れずに・・。

 

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東日本大震災3

名称が「東日本大震災」に変更された。記録的な災害として世界中で報道されている。発生からすでに5日経っているが、被害状況はまだまだ明らかになっていない。人的被害も死者3000人以上、行方不明2万人以上、避難所生活者50万人以上、というのが現状で、死者の数は1万をはるかに越えるものと予想されている。

昨日は買い物に行ったらどこの店でも食品の棚がガラガラだった。特にパンや麺類が完売状態。下高井戸で最も大きな店舗である西友に行ったら、午後から計画停電があるため閉店とのことだった。聞けば食料品だけでなく、トイレットペーパーや懐中電灯、乾電池などもどこでも品切れらしい。ガソリンスタンドも長蛇の列で給油するのが非常に難しいとか。そして首都圏の鉄道はどうにか動いていたものの、本数が少ないためにどこの駅も乗客で溢れ返り、その行列は駅舎の外まで延々と続いていた。
中国のTVは、被災地や東京近辺のそんな状況を報じた時、そこに映し出される人々の節度ある、礼儀正しい行動に驚き、褒め称えていたという。海外でのこういった災害や騒動の発生時に、商店の破壊や強奪がよく報道される。行列への割り込みなど、そうでなくとも日常茶飯事という国さえ一杯ある。それに比べれば確かに日本国民は素晴らしい道徳心を持っていると言えるだろう。「被災された方々のことを思えばこれくらいのこと・・・」と長い行列に並ぶ人が言っていた。
だが、そんな人々が「買い溜め」、「買占め」に走るというのもおかしな話だ。必要以上に買い込んだ食料や必需品に囲まれて、被災者を思いやるとは・・・。一般にこういうのを「偽善」と言う。
そして東京電力だ。原発の相次ぐトラブルと、計画停電の引き起こした大騒動で、東電の体質がくっきりと浮かび上がった。
原発はトラブルが起きてはいるものの核融合はすでに停止されているため、チェルノブイリのような決定的、致命的な結果にはならないという。建屋の爆発も原子炉ではなく漏れた水蒸気が原因であり、冷却水の水位が下がって空焚き状態になったのは給水ポンプの燃料切れだったからだという。
ちょっと待ってくれ。そもそもポンプの「故障」とか水蒸気の「漏れ」がどうして起きたのだ。巨大地震のせいか? 恐らくそうなのだろう。東電や政府に言わせれば、多分「想定外」の出来事なのだ。ではその「想定」とは一体何だったのか。
私は高校で建築設計を学んだ。柱や梁の太さはどうすべきか、この部材にはどのくらいの鉄筋を入れるべきか、などなど難解な強度計算は非常に面倒だったし苦手だった。その求められる強度は、建物の自重や風など外部から掛かる力の数倍のものに耐えなければならないとされていた。40数年前の基準だから、今ではもっと厳しいものになっているだろう。今回の地震の映像を見ても、一般家屋の多くが地震そのものに十分耐えていたことからもそれは分かった。(そんな丈夫な家でも津波の威力には勝てなかったわけだが・・・)
日本での原子力発電は茨城県東海村で63年に始められた。大規模な原発反対運動が全国的に展開されたのを覚えている。その後、時代の要請もあって原発建設は進み、現在では20ヵ所ほどに作られており、その発電量は今や水力発電と同程度の、全発電量の2割を占めるようになった。しかし原子炉や建物、そして今回故障したポンプなどをはじめとした機器の設計はどのような基準でなされたのだろうか。「想定」はそこで問題になってくる、というより「想定」こそが設計基準そのものなのだが。
非常に興味深い、驚くべき事実がある。毎日新聞によると、今回のような大規模な地震を地震学者の誰も予想しておらず、耐震安全性審査でも考慮されずに福島原発は建設されたのだという。福島第一は70年代、第2は80年代から運転されている。驚くのはその先で、経産省原子力安全・保安院と原子力安全委員会は福島第一、第二原発の耐震安全性を問題無しとする判断を、何と2年前の09年に出していた。彼らの「想定」とは一体何なのだろうか。ちょっと考えただけでも恐ろしくなる。それともそれは技術的、物理的な問題ではなく「政治的」な意味だったのか、と疑いたくなる。
79年に起きた米スリーマイル島原発の事故は、給水ポンプとそれに繋がるバルブのトラブルが原因だったという。このときもやはり冷却水がなくなって燃料が露出してしまった。原子炉は核融合を停止しても、燃料は何日間もの間、高温状態が続く。これが崩壊熱で、安全な温度になるまで冷却し続けなければならない。ところが冷却水の供給が絶たれたスリーマイル島原発の燃料の半分近くが崩壊熱で溶融した。しかし数日間に及ぶ注水と冷却で、原子炉格納容器爆発という最悪の事態には至らずに済んだ(米国はそれ以来原子力発電所の新設を行なっていない)。しかしこれには「炉外の配管類に損傷がなかったから」というラッキーな条件があったからだということを識者は指摘している。
つまり福島原発は、冷却水を入れているからもう安全なのだ、とは言い切れないのだ。ちなみに海水を使って冷却している発電設備は、ほぼ廃棄するしかないのだという。付け加えれば、もし冷却が功を奏しなかったら炉心溶融から原子炉そのものが崩壊、原子爆弾が爆発したのと同じかそれ以上の結果になる。
東京電力のWEBページを見てみると、問題の原子炉の観測データが数時間おきに公表されている。だがそれはガンマ線の計測値が表になっているだけで、それが何を意味するのか理解できる人はほとんどいないだろう。そんなことより知りたいのは冷却作業の進み具合なのだ。作業員が離れていた間に冷却水用ポンプの燃料が切れ、原子炉の燃料がまた露出してしまった、ということの方が、放射能の放出レベルの変異よりはるかに重大なことなのだ。
今回の地震は太平洋プレートが北米プレートに潜り込む時に生じるひずみが原因だ。政府の言う「地震学者」は2年前ですらこの地域に大地震はない、と予測した。ではこの先30年の内に必ず来るという、フィリピン海プレートとユーラシアプレートに起因する関東・東海大地震はどうなのか。あるのは静岡の浜岡発電所の1基のみだ。さらに調べてみると、太平洋に面した場所にある原発はこの浜岡以外は全て東北に偏っている。不思議だな~。
ただいま3月15日の午前10時を過ぎたところだ。東電の発表によると私の住むエリア(グループ4)はもう計画(輪番)停電に入っている時刻だ。しかし電気はついている。昨日もそうだった。どこを探しても計画停電になるのかどうか分からない。時間になってみないと分からない。連絡してもらえればお答えします、と、確か東電の人間がTVで言っていたように思うが、馬鹿なことをいうんじゃない。何通の電話が集中すると思っているんだ。
鉄道が運行中止したり、間引き電車のために駅が大混雑したり、仕事に行くのを諦めたり、お店を閉めたり、そして買い溜めの原因を作ったりなどなど、そのほとんどの原因は計画停電と、その運用方法だ。地震のことを考えれば毎日数時間の停電も止むを得ない。状況によって、やったりやらなかったりするのも仕方のないことかもしれない。だが市民生活に大規模な影響を及ぼすことだけに、素早い的確な対応が絶対に必要だ。役所ですら「私たちには分かりません。東電に聞いてください」というのだからあきれてしまう。役所が驚くほどの「役人体質」が東電にはあるようだ。
政府は原発事故に対する統合対策本部を東電に設けた。必要なデータなどは東電にあるから、などというのがその理由らしいが、本当のところは政府も東電の対応に呆れ果てたからだという。首相が東電に直接乗り込んで陣頭指揮するしかないと決断したのだろう。かつてのJAL同様「親方日の丸」企業の代表みたいな存在が東京電力、TEPCOなのだ。JALのように赤字を出していないから全く危機感を持っていないようだが、福島原発が一段落した(そうなることを願うが)あと、必ずや東電(他の電力会社も?)は全面的な体質改善を要求されることになるだろう。
気がつけばすでに11時。グループ4地域の計画停電は9時20分からというのが10時からに延期、となっていたがまだ実行されていないようだ・・・。

 

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東日本大震災2

2日間も全TV局が地震報道に専念している。それはそれで当然のことだろう。しかし首を傾げることがあった。ヘリコプターによる取材だ。各局がヘリを飛ばし、最新映像を流している。

そんな中、ある局が仙台空港の上空に行って撮影、同乗のコメンテーターが「ここには1300人ほどが孤立しているそうです。現状がどうなっているのか、情報が入ってきていません。あ、人が出て来ています、何か作業でもしているのでしょうか」などとと言っていた。
これは何なんだ!? 空港で孤立している人々がどうなっているのか誰も知らないのか? それともお前の局だけが知らないのか? もし前者ならすぐにでも着陸して情報を得るなり、必要な物や人を搬送するなりすべきだろう。後者だったら、そんな内輪の恥ずかしいことをコメントするな! と言いたい。
そもそも報道のヘリが何機も飛び回っていること自体がおかしい。特に今回のように、道路が何ヵ所も崩壊して陸路でのアクセスが難しい場合、ヘリの機能が唯一の頼みどころだ。撮影のためには共同で1機か2機があたればよい。他は全て救援目的に飛ばすべきだ。
はじめは「今日(13日)○時頃、マグニチュード8・8の余震が・・・」と言うのでびっくりしていたら、すぐに「昨日の地震の余震という意味です」とベテランアナウンサーに訂正されていた若い女子アナや、「てにをは」を十分に使いこなせない最近のアナウンサーにうんざりしていたのだが、ヘリ取材を見て我慢できなくなった。TV局は一体どんな教育をしているのだろう。
そういえば最近、否定に使うはずの「全然」という言葉が「全然面白い」などのように肯定的に、しかも絶賛するような意味で使われるようになった。お笑い芸人たちがそれを頻繁に使うのをTVが許している。このままでは後の国語教育で、「全然」は否定にも肯定にも使われる言葉として扱われてしまうことになるだろう。学者は「言葉は時代とともに変化して来た」とは言うが、基本的に間違った言い方をTVが積極的に後押しする必要がどこにあるのか。
TVへのイチャモンをついでにもう一つ。何か食べる時、合掌して「いただきます」と言うシーンが、当たり前のように流されるようになった。何故だ? 感謝やお礼、挨拶をする時、大多数が敬虔な仏教徒であるタイなどでは、こちらも自然に合掌することができるが、日本では必ずしもそうではないだろう。
日本人と知ると合掌してくる外国人も多いが そんな時私は、日本人はタイ人のように必ず合掌するわけではないのですよ、ましてや挨拶の時に、という意味も込めて頭を下げる「礼」で返す。「いただきます」の時もそうだ。別に合掌が悪いと言っているのではない。しかし出演者全員が合掌をするのを見ていると、何か気持ち悪くなってくる。特別な宗教団体の教えを強制しているのでは、と疑ってしまう。
「全然」にしろ「合掌」にしろ、それらがTV局関係者の無知やおふざけ、勘違いなどから来る一過性のものならまだいいかもしれないが、まるで申し合わせたかのように、どの局でも同じように普及して(させて?)しまっていることに、薄ら寒い怖さを感じるのは私だけだろうか。

 

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モンテカルロ・ラリー・ヒストリック

モンテカルロ・ラリー・ヒストリックに行って来ました。まずは写真をアップしておきます。

日本人選手全員集合。

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やっぱりこのブログは使い勝手が悪く、良く分かりません。毎日のように使っている人には問題ないのかもしれませんが、たまに使うには難し過ぎます。どうせそんなに見て下さる方もいないでしょうからもうこのワードプレスを使うのはやめます。これからはYAHOOかFacebookへどうぞ。

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チャイナ・ラリー2010

(順番が逆になってしまいました。このブログは写真が載せやすいのでWindows Liveでやっていたのですが、あちらの都合でWordpress とかいうところに強制移住させられてしまいました。使い勝手も悪く苦労しています。)

アジア・パシフィック・ラリー選手権最終戦のチャイナ・ラリーに行って来ました。ともかく安く行こうというので探したのが、デルタ航空の成田ー上海便。往復3万ちょっとです。上海から開催地の龍遊まではキャロッセチームのバスに便乗させていただきました。ただしキャロッセのフライトと時間が合わないため、往復とも上海泊でしたが、空港からシャトルバスのある安ホテルが取れました。

10月30日にキャロッセ(クスコ)チームのサービス部隊と合流、ビールも仕入れて龍遊へ300kmのバスの旅です。しかし例年と様子が違う・・・。朝から青空だし、夕方になっても太陽が見える。いつもは上海や杭州に入ってから帰るまで連日曇りか雨だったのです。やっぱりこういうのも異常気象というのでしょうね。結局11月9日に中国を出るまで雨には全く降られませんでした。

30日夜に龍遊に着いたはいいけど、やることがありません。何しろメディア担当のスタッフを始め、主催者のほとんどが別のイベントをやっていて、まだ龍遊に入っていないのですから・・・。2日ほどはサービスパークや街をぶらつくしかありません。

ホテルの部屋から有線LANでインターネットに繋がりますが、ご時勢柄かFacebookをはじめいくつかのサイトには接続出来ません。こちらに来る前に、古くから知っている香港在住のベテラン選手とFacebookを通じて連絡を取っていたので、当然繋がると思っていたけど、どうやら香港は特別なようです。あるいは日本の携帯を通したり、こちらのソフトを使ったりするとFacebookにもログイン出来るということでした。

11月2日にようやくプレスルームもオープン、3日からレキに出ました。今年はステージの半分が新しくなり、またオール舗装のステージも含めて、30%が舗装ということです。舗装といっても雑な言い方をすれば平らなコンクリート板を敷いた様なもので、路肩とも段差も大きいから、インカットなどすると大怪我の元です。2車線の幹線部分などは超高速で、田口勝彦、G・ギルの2台はそんな所でコースオフ、クラッシュしてリタイアとなりました。(それでもポイント断トツだったので田口君がチャンピオンになりました!)

ラリーの結果は、総合では中国選手権戦の傭兵(?)である英国のヒギンズ兄弟、サンデルらが3位までを占めてしまいました。4位にクスコチームの炭山裕矢組が入り、見事アジアカップをモノにしました。アジパシ登録部門ではプロトンS2000のマックレーとアトキンソンが1-2でしたが、総合では炭山君の方が上でした。

写真はこちら(http://www.facebook.com/profile.php?ref=name&id=100000500542854)をご覧ください。このWordpressというのは投稿方法が面倒くさくていけません。

 

炭山/加勢組はアジアカップ獲得。

アジパシ登録部門1-2でプロトン万歳!

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